ヤマハ RTX1100 の初期化とファームウェアアップグレード

目次

ヤマハのルータ RTX1100 を2台入手しました。 だいぶ古いもので今さら実用するものではないですが、勉強&検証用途で遊んでみようと思います。

何はともあれ、まずは初期化やファームウェアのアップグレードなどをやっていきます。

初期化

RTX1100 の背面は次の画像のようになっています。

一番左の INIT ボタンを押しながら電源をオンにすると、設定を完全に初期化できます。 設定を初期化すればパスワードの設定も全て消えるので、自由に利用できるようになります。

telnet 接続

背面にはコンソール接続用に RS-232C のオスのコネクタが用意されています。 しかし、PC に接続するためのメスのケーブルを持っていないので、telnet 経由で接続することにしました。

設定を初期化した RTX1100 は IPv4 アドレスを持っていませんが、IPv6 のリンクローカルユニキャストアドレスを持っていますので、このアドレスに telnet 接続できます。

RTX1100 のリンクローカルユニキャストアドレスは EUI-64 形式で MAC アドレスをもとに生成されており、その MAC アドレスは底面に記載されています。

LAN が3つあるので MAC アドレスも3個分あり、それぞれ LAN1, LAN2, LAN3 のものです。 (上図の場合、00:A0:DE:**:**:8600:A0:DE:**:**:88 の3つ)

今回は LAN1 ポートを Windows PC に直結し、Tera Term で telnet 接続を行いました。 MAC アドレスは 00:A0:DE:**:**:86 なので、リンクローカルユニキャストアドレスは fe80::02a0:deff:fe**:**86 であることがわかります。

IPv6 アドレスなので Tera Term では接続先のホストとして [fe80::02a0:deff:fe**:**86] のように角括弧を付けて指定する必要があり、PC に他に有効なインターフェースがあるならゾーンも指定しましょう。 また、ターミナルの送受信の文字コードは SJIS にすることもお忘れなく。

telnet 接続後の確認

設定を初期化したのでパスワードは空っぽで接続できます。

1Password:
2
3RTX1100 Rev.8.03.75 (Tue Apr 15 11:12:45 2008)
4  Copyright (c) 1994-2008 Yamaha Corporation.
5  ※以下、Copyright 表記は省略
600:a0:de:**:**:86, 00:a0:de:**:**:87, 00:a0:de:**:**:88,
7Memory 32Mbytes, 3LAN, 1BRI

ファームウェアの最新は Rev.8.03.94 なので、結構古いです。(最新のものですら 2013年12月のものではありますが…。)

設定はもちろん空っぽでした。

1> show config
2# RTX1100 Rev.8.03.75 (Tue Apr 15 11:12:45 2008)
3# MAC Address : 00:a0:de:**:**:86, 00:a0:de:**:**:87, 00:a0:de:**:**:88,
4# Memory 32Mbytes, 3LAN, 1BRI
5# main:  RTX1100 ver=c0 serial=********* MAC-Address=00:a0:de:**:**:86 MAC-Addr
6ess=00:a0:de:**:**:87 MAC-Address=00:a0:de:**:**:88
7# Reporting Date: Jan 1 09:03:15 1980

ルータ内部の時刻もクリアされていますね。

ヤマハネットワーク製品 内蔵電池について のページによると、RTX1100 には二次電池が内蔵されており、おそらく10年ぐらい電源を入れていなかったようなので放電しきっているのでしょう。 フル充電すれば2週間程度はバックアップが保持されるようですが、内蔵電池がへたっている可能性もありそうですね…。

ファームウェアアップグレード

ファームウェアは ファームウェア配布ページ から入手できます。

RTX1100 では USB メモリや microSD カードを用いたアップグレードは行えず、TFTP でファームウェアを送り込む必要があります。

まず、RTX1100 では管理者モードで TFTP サーバを一時的に起動します。 今は PC 以外に接続していないので、接続できる TFTP クライアントのIPアドレスを制限せずに any にしています。 TFTP サーバは常時起動すべきものではないので save しないようにしましょう。

1> administrator
2Password:
3
4# tftp host any

次に、Windows PC では Windows 標準の TFTP クライアントをインストールし、TFTP 接続してファームウェアを送り込んでアップグレードしました。

1C:\Users\ymstmsys\Downloads>tftp -i fe80::02a0:deff:fe**:**86 PUT rtx1100.bin exec
2転送を正常に完了しました: 33 秒間に 2869840 バイト、86964 バイト/

RTX1100 側では次のようなログが出た後、自動で再起動が行われました。

1Update exec file receiving... Testing received file... Writing to Nonvolatile memory... done

再起動後、改めて telnet 接続して確認すると、無事にアップグレードが成功していました。

1Password:
2
3RTX1100 Rev.8.03.94 (Thu Dec  5 19:06:16 2013)
4  Copyright (c) 1994-2012 Yamaha Corporation. All Rights Reserved.
5  ※以下、Copyright 表記は省略
600:a0:de:**:**:86, 00:a0:de:**:**:87, 00:a0:de:**:**:88,
7Memory 32Mbytes, 3LAN, 1BRI

私はこのタイミングで再度初期化を行いました。 たぶんする必要はないのですが、初期化したほうが安心感が得られますので。

パスワード設定

一応、ログインユーザと管理者ユーザのパスワードも付けておきます。

管理者モードで login password encryptedadministrator password encrypted コマンドでパスワードを設定できます。

 1> administrator
 2Password:
 3
 4# login password encrypted
 5Old_Password:
 6New_Password:
 7New_Password:
 8
 9# administrator password encrypted
10Old_Password:
11New_Password:
12New_Password:
13
14# save
15セーブ中... CONFIG0 終了
16
17# show config
18# RTX1100 Rev.8.03.94 (Thu Dec  5 19:06:16 2013)
19# MAC Address : 00:a0:de:**:**:86, 00:a0:de:**:**:87, 00:a0:de:**:**:88,
20# Memory 32Mbytes, 3LAN, 1BRI
21# main:  RTX1100 ver=c0 serial=********* MAC-Address=00:a0:de:**:**:86 MAC-Addr
22ess=00:a0:de:**:**:87 MAC-Address=00:a0:de:**:**:88
23# Reporting Date: Jan 1 09:01:55 1980
24login password encrypted *
25administrator password encrypted *

今後何をしよう

OSPF と BGP は実際に試したことがないので、まずはそれから。

あとは 優先制御の実験をするぐらいかなぁ。